おかしな絵面を想像させる

今回は「絵面」の話をします。

「絵面」は「えづら」と読みます。

光景」「イメージ」などと言っても良いかもしれません。

イメージは、文字などの言語情報よりも瞬間的に与えるインパクトが強いです。

ですからその分、笑いを引き起こすには有利です。

でも、大喜利は基本的に文字で答えるものです。

不利ですね。

ではどうしたらよいのでしょう?

そうですね。想像させればいいんです。

お客さんが回答を聞いた時に、お客さんの頭の中にパッと「光景」や「イメージ」が思い浮かばせることができれば、実際に絵を見せたのと同じような効果が期待できる!!

これは強い!!

その「光景」や「イメージ」が、おかしな、笑えるものになっていればいいわけですね。

ここでは、そういうおかしな「光景」や「イメージ」を「絵面」と呼びます。

おかしな絵面を、お客さんの頭の中にガンガン描いていきましょう。

ということで、今回も具体例を見ていきましょうね。

大喜利道場に実際に投稿された回答です。

こんなクラシックコンサートは嫌だ

音圧で指揮者の服が脱げて、玉袋がそよいでいる

いきなり汚い回答を紹介して申し訳ありませんが、要はこういうことです。

「音圧で服が脱げた」とありますから、服が段々と脱げたというよりは

ものすごい衝撃波のようなものをくらって、一発で「バンッ!!」と脱げ去ったのでしょう。

そして、その衝撃波の余韻のような空気の揺れを受けて、むき出しになった玉袋が「そよいでいる」わけです。

完全に、おかしな絵面です。クラシックコンサートの荘厳な雰囲気に、まったく合いません。

この「そよいでいる」という言葉の選択が大事ですね。

絵面を想像させるためには、それに近いイメージの言葉を注意深く選ぶ必要があります。

これがもし「玉袋が揺れている」、さらには、「玉袋が見えている」だったら、ここまで絵面を想像させることはできないわけです。

続いてこの回答。

こんなクラシックコンサートは嫌だ

ピアノの女が落ち着きがないと思ったら、ポケットからのだめカンタービレの全巻がはみ出てた

イメージして欲しいのは、ポケットから、漫画の全巻がはみ出ている、という様子です。

のだめカンタービレが全部で何巻あるのか知りませんが、恐らく、10巻〜30巻くらいあるのでしょう。

(実際には25巻あるそうですが、そこは重要ではありません。)

ということは、かなりの厚さがあるはずです。

それが、ポケットからはみ出しているんです。かなりきわどい状況です。

でも、本人はピアノを弾いているため、はみだしたのだめカンタービレをポケットに押し戻すことが出来ません。

足とか太ももとかを、すきを見て動かして、落ちないように一生懸命戻そうとしているのでしょう。

焦ってるイメージが伝わってきますね。その感じがおかしさを生み出します。

ところでこの回答、「ポケットに全巻なんて入るのかよ」「そんな不可能な状況、イメージできないよ」と思う人もいるかもしれませんが

そこを「全巻がはみ出てた」と、事実かのように言い切ってしまっている所がこの回答のすごい所です。

こうなると、聞いた側は、不可能であることは無視して強引に想像するしかありません。

明確に絵では表せないけれども、想像だから作ることが出来る、おかしなイメージというわけです。

すごいですね。

では次にいきましょう。

ハロウィンパーティーで見かけた、一番やばい仮装

肉味噌茄子

やばいですね。肉味噌茄子です。

「食べ物の仮装」というだけなら、そんなにやばくないんですよ。

マカロンの仮装なんか全然いそうですし、ふざけた人が手羽先の仮装をしたりもするでしょう。

そんな中で、肉味噌茄子のすごい所は、形の決まった料理じゃないってことです。

不定形なんです。

言葉はあれですが、言ってしまえば、グチャッとした料理なわけですよ。

それの仮装をするということは、全体として「グチャッとした何か」になるしかないわけです。

でもそれをよく見ると、「ここに茄子があるな」とか「ああ、ここは肉だな」とか、見え隠れしているわけです。

そういうグチャッとした絵面が想像される回答、というわけです。

さらにすごい所は、「味噌」です。

これがもし、同じ「グチャッとした料理」でも「麻婆豆腐」だったら、

豆腐の白とか唐辛子の赤とか、ある程度判別がつきます。

でも「肉味噌茄子」は、全部、味噌の色をしています。一色です。

そういうところもグチャッと感に拍車をかけているわけです。すごいですね。

次行きます。

ハロウィンパーティーで見かけた、一番やばい仮装

リアル猫かぶってる

かわいい。これも絵面ですね。

そのうちこの連載で扱いますが、「感情を呼び起こす」というのは、面白い回答を作る一つの方法です。

ちなみに、この「リアル猫かぶってる」は、「可愛い」という感情と同時に

「上手いこと言ってやった風でムカつく」という感情も呼び起こします。そこが良い。

次行きます。

ある高校で一番美女の結衣ちゃんがまったくモテない理由とは

眼鏡を外すと美人というタイプの女なのだが、常に眼鏡を100個かけている

「強化」の記事でも紹介した回答です。

眼鏡の個数を強化した、という話をしたのですが

単純に、眼鏡を100個かけているというバカっぽい絵面が良い、という側面もありますね。

このように、複数の大喜利テクニックをあわせ技として使うことも出来ます。覚えておきましょう。

では今回も、練習用のお題を出しておきます。

見た目に関係したお題ですから、絵面でインパクトを作っていく練習にうってつけでしょう。

Posted by 岡竜之介

<< 思いついた回答を強化する | 大喜利の「型」| 回答者本人がおかしい >>

お題:

スキー旅行の記念写真を見てびっくり!どうして?

<< 思いついた回答を強化する | 大喜利の「型」| 回答者本人がおかしい >>

製作者:岡竜之介 フリックとローマジ -- 日本語入力スピード測定