見ている人の頭にない要素を入れる

皆さん経験的に知ってると思うんですけど、

笑いを起こすには、多くの場合、意外性が必要です。

意外性。

出せますか?意外性。

ちなみにですけど、「多くの場合」とわざわざ言ったのは、そうでないケースもあるからです。

期待通りの事態が発生して起こる笑いというのがあります。

吉本新喜劇なんかを見てもらえばよくわかると思います。

「つまらないものにはメーン!!」とか「ドリルすな」とか「お邪魔しますか?」とか「体の一部が HOT!!! HOT!!! 」とかそういう奴です。

あれはもう、特定のくだりを何度も見ていて、そのくだりに対する期待感が充分高まっているわけですね。

なんならお客さんもそのくだりが見たくて劇場に来ているわけです。

でも大喜利ではそういうことは難しいですね。

回答を一発出して完結する大喜利の世界では

意外性はほぼ必須と言えるでしょう。

意外性がまったくないとどうなる?

例えば。ハロウィンパーティーで見かけた、一番やばい仮装というお題があったとしましょう。

これにこんな回答を返したらどうでしょうか。

・ゾンビ

はい。

やばいですね。

仮装としてやばいのではなくて、回答としてやばいです。

「一番やばい仮装」を聞かれているのに、一番普通の仮装を答えています。

逆に何か意図がある回答なんじゃないかと疑ってしまいたくなりますね。

他にも例を挙げてみましょう。

紅葉を見に行って大失敗!何があった?
・雨が降った

旅行のお土産としてもらった、いらないもの
・ゴミ

2030年のスマホはこんなことまでできる!
・通話

バカ田大学の文化祭では何がある?
・屋台

はい。

ここまでくるともう、「そういうことばっか言う奴」としてのキャラが確立されてきますね。

その境地を目指すつもりなら、こういう回答ばっかり出し続けるのも良いかもしれません。

でも、それでやっていける人はかなり特殊な人だと思いますので

普通は、ちゃんと意外性を出していくことになります。

誰でも思いつく回答ではダメ!

意外性のまったくない回答が続きましたが、少し意外性を出し始めてみましょう。

こんな浦島太郎は嫌だ
・海に入っていく時に溺れ死ぬ

「回答として成立していない」というレベルは脱しました。

でも、これ、未就学児童でも思いつくような回答です。

そこは誰もが気づいた上で、「ファンタジーなので!!!」で了解して、以降話題にしないことになっている部分です。

なので、大喜利の回答としてわざわざそこを持ってきても、「知ってますけど?」となってしまうわけですね。

他にも、意外性が足りない例を挙げてみましょう。

こんな桃太郎は嫌だ
・桃を切った時に一緒に切られる

浦島太郎の例と同じです。

違うパターンもいきます。

紅葉を見に行って大失敗!何があった?
・遭難した

「雨が降った」よりはマシですが、これもまだ実際に思いつきやすい範囲です。

ハロウィンパーティーで見かけた、一番やばい仮装
・サンタクロース

ハロウィンとクリスマスは時期も雰囲気も似てますからね。自然に連想されてくる範囲です。

2030年の掃除機にはこんな機能もついてる
・洗濯できる

だいぶ良くなってきましたが、「掃除→洗濯」は連想として自然です。

連想として自然ということは、意外ではないということです。

こんなドラえもんは嫌だ
・ワンと鳴く

これも同じです。「ドラえもん→猫→犬」というわけですね。二段階離れている分いくらかマシですが。

これらの例は、

「紅葉→山→遭難」

「ハロウィン→クリスマス」

「掃除(機)→洗濯(機)」

「ドラえもん→猫→犬」

という感じで、普通に連想ゲームで出てくる範疇を抜け出せていません。

お題で「掃除機」という言葉が出た時点で、聞いてる人の頭の中には、

ぼんやりと「」とか「部屋」とか「家事」とか「」とか「家電製品」とか、そういうイメージが浮かんでいるわけです。

なんとなく思考の枠組みができているわけですね。

大喜利の回答者は、その枠組みの外から、全然考えてなかったものをポーンと放り込んでやる必要があるわけです。

枠組みを外して考えるには

普通に考えていると、大喜利の回答者といえど、頭がそういう「枠組み」にハマってしまうものです。

その状態で思いついた回答は、聞いた人にとっても

「ああ、それは思いついてたわ」

となってしまうわけです。

そこで、今日は一つ、わりと簡単に「枠組み」を抜け出せる方法を紹介します。

それは

「しりとり」

です。

普通にお題から要素を考えていくときは、「意味」を手がかりに考えていきます。

例えば、リンゴからスタートして考えると、

リンゴ、果物、バナナ、甘い、バナナの皮、すべる、…

みたいな。

ところが、ここで「しりとり」を使うと、「文字」を手がかりに考えることになります。

リンゴ→ゴジラ→ラード→ドーベルマン→漫画→…

という感じ。

リンゴの次の段階で、既にゴジラという、リンゴと全然関係ないものが出てきています。

(ここで、ゴリラではまだちょっとリンゴに近いです。ゴリラはリンゴを好んで食べそうですし、森とかジャングルとかのイメージの範囲から脱せていません。)

例えばお題が

悪い魔女が作った「アホリンゴ」食べるとどうなる?

だったら、リンゴからしりとりでゴジラを引っ張ってくることで

ゴジラになる

という回答を出すことが出来るわけです。

お客さんの頭の中は「リンゴ」とか「果物」とか「バナナ」とか「青森」とか、そういう枠組みがハマっていますから

そこにポンと「ゴジラ」を放り込むことで、意外性を出すことができるわけです。

……ただ、流石に「アホリンゴを食べるとどうなる」で「ゴジラになる」では唐突すぎるので、

アホゴジラになって自分の尻尾を熱線打ちながら追いかけてぐるぐる回る

などと工夫を加えるといいでしょう。

具体的な工夫の加え方はこの連載で今後扱っていきますね。

思考プロセスまとめ

さらに、前回お話しした「お題に含まれる要素を考える」と組み合わせると

思考プロセスは大体こんな感じになります。

お題例:こんな修学旅行は嫌だ

まず修学旅行の要素をいろいろ考えます
・友達
・嫌いな友達
・班別行動
・京都
・東京
・沖縄
・海外
・歴史とか学ばされる
・しおり
・ご飯
・寝る前の恋バナ
・枕投げ
・バス
・バスで吐く
・初めての飛行機

ここでは「しおり」を使ってみましょう。

次に、修学旅行とは全然関係ない、意外な要素をしりとりで引っ張ってきましょう

旅行→牛→正月

一度修学旅行から離れたら、そこからは意味で連想しても大丈夫です。

ここでは「正月」から連想した「餅」を使ってみましょう。

しおりが餅で出来ていて、日中ベットベトになる

ね。嫌ですね。

とまあこんな感じで、お題から引っ張ってこれる要素に、それとは関係ない要素を放り込んでいくことで、意外性を出していきましょう。

下に、練習用のお題を出しておきますので、枠組みを外して考えるように意識してみてください。

Posted by 岡竜之介

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お題:

海水浴に来てみたら、最悪!!何があった?

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